Netivyah Bible Instruction Ministry

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ネティブヤ本部
(イスラエル)

ネティブヤは、エルサレムにあるメシアニック・ジュー(イエスを信じるユダヤ人)によるミニストリーです。
詳しくは、ネティブヤ日本支部ホームページをご覧下さい。

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シオンとの架け橋

ロシアの大地から

ネティブヤ本部秘書
ハナ・コブナーさん
聞き手:日本支部 石井田直二

Q:ハナさんは、どのようにしてメシアニック・ジューになられたのですか?

 大変長い話ですが、簡単にお話し致しましょう。私はモスクワに生まれました。私の家族は、いわゆる世俗派のユダヤ人でしたので、私はユダヤ教やユダヤの伝統について何も知りませんでした。14歳になった時、私は精神世界に興味を持ち、多くの宗教書や哲学書を読みあさりました。東洋哲学の本も読みました。そのうちに、新約聖書にも興味を持ったのです。なぜなら新約聖書は世界で最も有名な精神世界の本だったからです。その時、私たちは新約聖書を持っていなかったので、母が友達から借りてきて、母と私はそれを読みました。

Q:それで、新約聖書にはどのような印象をもたれましたか?

 私たちはその本を興味本位で読み始めたのですが、それを読んだ時、母も私もすぐにそれが真理であることがわかり、イエス・キリストと新約聖書を信じました。なぜかというと、それが神からのものであるということはあまりにも明白で、否定のしようがなかったからです。
 しかし、私たちは新約聖書は異邦人の書だと思っていましたし、ユダヤ人はキリスト教を信じないものだと思っていました。私たちの家族は世俗派のユダヤ人でしたけれども、ユダヤ人がイエス・キリストを信じないことだけはよくわかっていたのです。

Q:それで、どうされましたか?

 第一に、イエス・キリストを信じたユダヤ人は、世界で私たちだけだと思いました。ですから、私たちはどこの教会にも行きませんでした。なぜなら、ユダヤ人は教会に行かないと思っていたからです。そこで、私たちは家で聖書を読み、イエス・キリストに個人的に祈り、そのようにして月日がたちました。それから、母がある幻を見たのです。その幻は、永遠の命を受けるためにはまず死ななければならないということを彼女に明確に示すものでした。彼女はとても恐れましたが、主に対して命を差し出すことに同意しました。すると闇の中に「洗礼を受けよ」という文字が現れたのです。

 しかし、ロシアではロシア正教会以外の教会というものがありません。そこで彼女はロシア正教の教会に行って、洗礼を受けました。母はその事を家族に秘密にしていましたが、6ヶ月経って、彼女の人生に起こった変化を私に打ち明けてくれました。それは私が16歳の時のことでした。

 私は、母がクリスチャンになったと聞いて非常に苦しみましたが、母と一緒に教会に行ってみることにしました。教会に行ってみると、そこは私が考えていたよりも居心地が良いところだったので、私もしばらくして洗礼を受けました。私たちはその教会に何年か出席しましたが、そのうちに、ある教会にユダヤ人の先生がいて、その教会ではユダヤの祭を祝っているという話を聞いたのです。

Q:その教会もロシア正教会だったのですか?

 そうです。ロシア正教会とはいっても、その先生の教会は非常に生き生きした教会で多くの家庭集会も行われていました。もちろん、メシアニックではありませんでしたけれども、その先生はユダヤ的な福音の背景を少しは教えてくれました。それは、地下教会というか、正式な教会では無かったのです。その教会に行くには何時間も電車に乗らなければなりませんでしたが、それでも私たちはその教会に出掛けました。ところが、その先生が殺されてしまったのです。

Q:誰かに暗殺されたという意味ですか?

 そうです。暗殺されたのです。彼は非常に活発に活動して、テレビやラジオなどにもよく出るようになっていたので、反対者たちが目をつけ、暗殺したのだと思います。

Q:それはひどいですね。それからどうされたのですか?

 そのことがあってしばらく後の1993年、ジョナサン・バーニス師がロシアにやって来て、非常に大きなメシアニック・フェスティバルを開催しました。多分、このフェスティバルについては聞かれたことがあるかと思います。私もそのフェスティバルに出席し、非常に感銘を受けました。それからバーニス師はメシアニック・コングリゲーションをロシアに設立し、私は熱心なメンバーとなったのです。私たちの教会のメンバーは私がメシアニック・コングリゲーションに行くことを勧めてくれました。なぜなら、彼らはユダヤ人のビリーバーがメシアニック・コングリゲーションに所属するのはとても自然なことだと考えていたからです。そして何ヶ月かたって、私はそのコングリゲーションの秘書になりました。ロシアにおけるメシアニック運動が発展し、私はますますこの運動と関わるようになり、多くのメシアニック教師たちと出会いました。ヨセフ・シュラム先生や、エイタン・シシコフ先生もその中にいました。

Q:では、なぜイスラエルに帰還(アリヤー)しようとされたのですか?

 ある日、イスラエルに住んでいた友人から手紙を受け取りました。その手紙には「父祖たちの地に住んで」というような言葉が書いてありました。何も特別の言葉ではなかったのですが、その言葉が何故か私の胸を打ったのです。そこで、私はアリヤーしようと考え始めました。しかしその時、私はロシアのメシアニック運動で忙しく働いており、イスラエルに帰還するのは遥か未来のことだと思っていたのです。

 しかし、ご存じのようにロシアからアリヤーするのは大変です。悪名高いロシアの官僚機構では、手続きに通常1年ぐらいかかります。そこで、とにかく私は申請書を1995年に提出し、そのまま忘れていました。

 それから、バーニス師の特別セミナーがありました。私は部屋の一番後ろの角に座っていて、静かに神にこう祈りました。「主よ、私はイスラエルに行くべきでしょうか? それともロシアにいて奉仕の働きを続けるべきでしょうか?」

 その時、突然バーニス師が「ハナはどこだ、君に神からのメッセージがある」と言われたのです。私が彼の所に行くと、彼は「あなたは考えているよりも早くアリヤーをすることになるだろう」と言ったのです。

 しかし、これもまた、あいまいな言葉で、具体的なものではありませんでした。

Q:それから、何があったのですか?

 それから、私たちは「アリヤーのために」という使途指定で1,000ドルという特別献金を受け取りました。その時、私たちのコングリゲーションには誰もアリヤーする人はいなかったので、事務所の幹部が私がイスラエルに行って、トム・ヘス先生の集会に出るためにそのお金を使うことを提案しました。それは正確にはアリヤーではありませんが、少なくともアリヤーの「準備」ではありました。ロシアでは、イスラエルに自己負担無しで行けるというのは大変魅力的なことでしたので、私は喜んでその提案を受けました。

 そして、ビザの問題が起こってきたのです。私はアリヤーのビザを申請しており、その手続きが最終段階になっていることを思い出しました。私は、そのアリヤービザでイスラエルを訪問できると思っていました。ところが、移民ビザでは二度とロシアに戻ることができないとわかったのです。もし所持者がロシアに帰ろうとするなら、その人はまずイスラエルの市民権を得て、それからイスラエルのパスポートを使ってロシアを訪問しなければならないのです。

 私は土壇場になってその問題に気付いたのですが、そのとき私はまだアリヤーする決意が出来ていませんでした。しかし、とにかく私は最後の瞬間に決心して、そのアリヤービザを使ってイスラエルに行くことにしたのです。

 そしてイスラエルに来てみると、イスラエルがすっかり好きになり、ここに留まることにしました。1996年のことです。

Q:神は、人間の思いではなく、ご自分のご計画によって物事を進められますからね。それで、イスラエルではどうされましたか?

 私は、イスラエルのメシアニックの指導者たちを何人かすでに知っていました。しかし、私がネティブヤを選んだのは、私がエルサレムに住みたかったからです。また、ネティブヤの持っているビジョンは、私自身のビジョンに非常に近いものでした。何ヶ月か経って、ネティブヤが制作している「コル・ハイェシュア」という宣教放送の、ロシア語のアナウンサーをして欲しいという話が来ました。ロシア語の放送は当時、週に1回あったのですが、私はその担当アナウンサーとして働くことになりました。するとすぐに、毎日ヘブライ語の宣教放送を行うことになり、私はその仕事の責任者になったのです。その仕事を何年か続けていて、私はネティブヤの秘書になりました。それが2000年のことです。その時、私はすでにネティブヤの事務所に何年も勤めていましたので、部署が変わったという感じでした。

Q:ネティブヤの秘書として勤めておられて、楽しいこと、苦しいことを教えてください。

 そうですね。私は何でも事前に計画して、それを順序正しく進めていく性格です。しかし、シュラム先生はそうではありません。先生は、聖霊に導かれてしょっちゅう計画を変更されますので、ついていくのが大変なんです。

 しかし、ネティブヤが行っている仕事というのは、私自身がしたかったビジョンと非常に近いものです。そして私にとって、自分の民族のために働くということは大変な喜びです。ですから、私は神が私にこの仕事を与えてくださったことに感謝しています。

 


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